2007/12/04

イタリアンマフィアとスウォッチクロノ1990




スウォッチのクロノが発売になったのは1990年だったと思う。日本での発売はその少し後、1991年を待つ。スウォッチの発売が始まったのは1983年。このクロノの発売によって当時イタリア人のマフィアがロレックスのデイトナクロノの買占めに替わって手を付けたのが世界中を巻き込んだスウォッチの一大ブームのきっかけの発端というのがこのシナリオだったはず。本当にイタリア人グループは東京にも上陸していて、のんびりしていたその頃のスウォッチを販売していたショップ(インショップの時計屋、雑貨屋、ビームスのようなショップには、バックナンバーのスウォッチが当たり前のようにあったり、在庫が棚や引き出しの奥底に眠っていたりした。

でもそれらが手当たり次第に消えていった。ショップの人に聞いてみれば、前日、外人グループがスタンダードをひとつ残らず買っていったと言う。なんとそういう店はたいていスウォッチを定価の50%引きで販売していた。その頃の定価は4000円だったからすごい。残っていたのはいつもレディースとポップスウォッチの新しいデザインの残りカスばかり。古いのはもちろん値がついたから....(記憶が定かでないので間違いがあればご教示を)

気がついたのがまだ早かったので、慌てて僕も買いまわればそれなりの収穫があった。イタリア人のバイヤーに負けてなるものかと、東京中いや関東中走り回った。そのおかげで気分は一匹狼のヤクザなバイヤーだった。今ではもうないけれど、その頃は服を売っている店でもスウォッチを販売していて、店頭になくてもスタッフに聞いてみると奥の棚から段ボールに山ほど入っている在庫(スペシャルも含めて)を全部買える日もあった。「こんな物もあるんですよ」と楽しそうに出してくれたりしてどんなものも安くしてくれた。

僕みたいなのはこういう人たちにとっては救世主のような存在だったらしい。眠っていた在庫、どうしようもなくてしまっていたのに、まとめて買ってくれる人がこの世にいるんだという。この後、モノマガジンによるモノショップとの連係プレイで凄まじい攻勢が日本中を覆い尽くし、瞬く間に日本中にスウォッチムーブメントが起こることになった。(記憶が定かではないので間違いがあればご教示を)swatch,スウォッチ


という過去があったけれど、いまはのんびりと平穏無事にスウォッチを楽しめる自分がいる。もうあまり手持ちがない過去のものを引き出しから出して着けてみてははずして時間を過ごすのだ。写真のクロノはお気に入りのフラッシュアローでピンクのベルトが割れてしまった。ブラックのベルトを付け替えていたけど、最近、クロノのカバーが真っ黒に変色していたのをシルバー磨きに漬けてみたらなんと見事に輝きを取り戻してピカピカになった。

それじゃあベルトも取り替えたいと思って、シルバーのエクステンドベルトを御用達ショップの店長に替えてもらった。このカバーはイタリア製でスターリングシルバーだ。ゴールドの竜頭のクロノのためにゴールドプレートのカバーも存在していた。カバーがいくらだったか確かな値段はもう覚えていない。今でもこうして楽しめるなんてありがたい。swatch,スウォッチ

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